
前歯の隙間が気になっているけれど、矯正にはお金がかかりそうで踏み出せない。
そんな悩みをお持ちの方は少なくありません。
実は、すきっ歯の矯正は全体矯正だけでなく、前歯だけの部分矯正という選択肢があります。
この記事では、すきっ歯を前歯だけ矯正する場合の費用について、装置別の相場や費用の内訳、部分矯正ができる条件まで、詳しく解説していきます。
費用面の不安を解消し、矯正治療への一歩を踏み出すための情報をお届けします。
すきっ歯の前歯だけ矯正する費用は10万〜50万円程度

すきっ歯の前歯だけを矯正する部分矯正の費用相場は、概ね10万〜50万円程度とされています。
これは全体矯正の60万〜130万円程度と比較すると、大幅に費用を抑えることができます。
具体的には、軽度のすきっ歯で前歯1〜2本のみの矯正であれば10万円前後、上の前歯または下の前歯で3本以上動かす場合は20万〜40万円が標準的な価格帯とされています。
治療期間についても、3か月〜1年程度で完了するケースが中心です。
ただし、この費用はあくまで目安であり、歯の状態や選択する矯正装置、通院する歯科医院によって変動します。
なぜ前歯だけの矯正で費用を抑えられるのか

部分矯正と全体矯正の違い
前歯だけの矯正で費用を抑えられる理由を理解するには、まず部分矯正と全体矯正の違いを知る必要があります。
部分矯正とは、その名の通り歯列の一部分だけに矯正装置を装着して治療を行う方法です。
具体的には、前歯の6本程度(上顎または下顎の犬歯から犬歯まで)に限定して装置をつけることで、見た目が気になる部分だけを集中的に治療します。
一方、全体矯正は奥歯を含めた歯列全体に装置をつけ、噛み合わせから根本的に整える治療法です。
この治療範囲の違いが、費用と治療期間に大きく影響します。
費用が抑えられる3つの理由
部分矯正で費用を抑えられる理由は、大きく3つに分類できます。
第一に、使用する矯正装置の数が少ないことです。
全体矯正では上下合わせて28本程度の歯にブラケットやアタッチメントを装着しますが、部分矯正では6〜12本程度と半分以下になります。
装置の数が少なければ、当然材料費も削減できます。
第二に、治療期間が短いことです。
全体矯正が2〜3年かかることも珍しくない一方、部分矯正は3か月〜1年程度で完了するケースが多いとされています。
通院回数が減れば、その分の調整料や管理料も抑えられます。
第三に、治療の複雑さが低いことです。
奥歯の噛み合わせ調整や顎の骨格を考慮した移動計画が不要なため、歯科医師の技術料や診断料も比較的低く設定されることが多くなります。
部分矯正が適応できる条件
ただし、すべてのすきっ歯が前歯だけの部分矯正で対応できるわけではありません。
部分矯正が適応できるのは、前歯まわりの軽度な隙間に限られ、奥歯のかみ合わせに大きな問題がない場合とされています。
具体的には、以下のような条件を満たす必要があります。
- すきっ歯が主に前歯の隙間に限定されている
- 隙間の量が比較的少ない(数ミリ程度)
- 奥歯の噛み合わせが正常、または大きな問題がない
- 顎の骨格に大きなズレがない
- 出っ歯や受け口などの骨格的な問題が軽度である
これらの条件に当てはまらない場合、部分矯正では十分な効果が得られず、全体矯正が必要になることもあります。
例えば、歯列全体が前方や外側に広がっている場合や、顎の骨格に問題があって奥歯からの噛み合わせ調整が必要な場合は、全体矯正の適応となります。
上の前歯と下の前歯での費用差
興味深いことに、同じ「前歯だけ」の矯正でも、上の前歯と下の前歯では費用が異なる傾向があるとされています。
アンケート調査データによれば、上の前歯のみの矯正は20万〜40万円で収まるケースが多い一方、下の前歯の矯正は40万〜60万円に近づく傾向があるとされています。
これは、下の前歯の方が治療の難易度が高いためです。
下の歯列は上の歯列よりもスペースが狭く、隙間を埋める際に歯の移動が複雑になりやすいという特徴があります。
また、下の前歯は上の前歯と噛み合う関係にあるため、隙間を埋めつつ噛み合わせも同時に調整する必要があり、より精密な治療計画が求められます。
装置別の費用とその特徴

マウスピース矯正の費用と特徴
マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の装置を使用する矯正方法です。
前歯だけの部分矯正におけるマウスピース矯正の費用は、10万〜40万円程度とされています。
一部のクリニックでは10万〜50万円、あるいは30万〜60万円という価格設定もあり、使用するマウスピースのブランドや治療範囲によって幅があります。
マウスピース矯正の最大の特徴は、透明で目立ちにくく、取り外しが可能という点です。
食事や歯磨きの際には外すことができるため、口腔衛生を保ちやすく、日常生活への影響が少ないというメリットがあります。
また、金属アレルギーの心配もありません。
ただし、マウスピース矯正の適応症例は「軽度〜中等度」のすきっ歯が中心とされています。
重度の歯列不正や複雑な移動が必要な場合には対応できないこともあります。
さらに、1日20時間以上の装着が推奨されるため、患者自身の管理能力が治療結果に大きく影響します。
ワイヤー矯正(表側)の費用と特徴
ワイヤー矯正(表側)は、歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を接着し、ワイヤーで歯を動かす伝統的な矯正方法です。
前歯だけの部分矯正におけるワイヤー矯正(表側)の費用は、20万〜60万円程度とされています。
全体矯正の場合は60万〜100万円を超えることも多いため、部分矯正であれば大幅に費用を抑えることができます。
ワイヤー矯正の特徴は、歯を動かす力が強く、多くの症例に対応可能という点です。
マウスピース矯正では対応できない複雑な歯の移動も可能で、治療の確実性が高いとされています。
また、装置が常に装着されているため、患者の管理負担が少ないというメリットもあります。
一方、デメリットとしては、金属製のブラケットとワイヤーが見えるため審美性に劣る点が挙げられます。
近年では白いセラミック製のブラケットや白いワイヤーも登場しており、目立ちにくい選択肢も増えています。
ただし、審美ブラケットを使用する場合は、費用が数万円上乗せされることもあります。
ワイヤー矯正(裏側)の費用と特徴
ワイヤー矯正(裏側)は、歯の裏側にブラケットとワイヤーを装着する矯正方法で、舌側矯正とも呼ばれます。
前歯だけの部分矯正におけるワイヤー矯正(裏側)の費用は、40万〜70万円程度とされています。
これは表側のワイヤー矯正の約2倍の費用となります。
裏側矯正の最大の特徴は、外からほとんど見えないという審美性の高さです。
人前に出る機会が多い職業の方や、矯正装置を見られたくないという方に選ばれています。
また、歯の裏側に装置があるため、スポーツなどで口元に衝撃を受けても装置が外れにくいというメリットもあります。
ただし、費用が高額になる理由として、以下の点が挙げられます。
- 装置の製作に高度な技術と時間が必要
- 装置の装着と調整に特殊な技術が必要
- 患者ごとにオーダーメイドで装置を製作する必要がある
- 対応できる歯科医師が限られている
また、舌に装置が当たることで違和感や発音のしづらさを感じることもあり、慣れるまでに時間がかかる場合があります。
費用の内訳と追加でかかる可能性のある料金

初診・カウンセリング料
矯正治療を始める際、まず初診とカウンセリングを受けることになります。
この初診・カウンセリング料は、無料〜1万円程度とされています。
多くのクリニックでは初回相談を無料としているところも増えており、気軽に相談できる環境が整ってきています。
初診では、歯の状態の視診、すきっ歯の程度の確認、治療方法の説明、費用の概算などが行われます。
複数のクリニックで初診を受けて比較することも可能ですので、納得のいく治療を選ぶために活用することができます。
精密検査・診断料
治療を開始する前には、精密検査と診断が必要になります。
この精密検査・診断料は、3万〜6万円程度とされています。
精密検査には以下のような項目が含まれます。
- レントゲン撮影(パノラマ、セファロなど)
- 口腔内写真撮影
- 顔貌写真撮影
- 歯型採取(印象採得)
- 噛み合わせの分析
- CT撮影(必要に応じて)
これらのデータをもとに、歯科医師が詳細な治療計画を立て、最適な矯正方法や治療期間、正確な費用を提示します。
この段階で部分矯正が可能かどうか、全体矯正が必要かどうかが確定します。
装置代(矯正治療費本体)
矯正治療費の中心となるのが装置代です。
前歯だけの部分矯正における装置代は、選択する矯正方法によって以下のように異なります。
- マウスピース矯正:10万〜40万円程度
- ワイヤー矯正(表側):20万〜60万円程度
- ワイヤー矯正(裏側):40万〜70万円程度
この装置代には、矯正装置の製作費用、装着費用、基本的な治療期間中の調整費用などが含まれることが多いとされています。
ただし、クリニックによって含まれる内容が異なるため、契約前に詳細を確認することが重要です。
調整料・通院ごとの管理料
矯正治療中は、定期的に通院して装置の調整を行う必要があります。
この調整料・通院ごとの管理料は、1回につき数千円〜1万円程度とされています。
通院頻度は矯正方法によって異なりますが、ワイヤー矯正では月に1回程度、マウスピース矯正では1〜3か月に1回程度が一般的です。
治療期間が3か月〜1年程度の前歯だけ矯正の場合、調整料の総額は数万円程度になります。
ただし、クリニックによっては調整料を装置代に含めた「トータルフィー制度」を採用しているところもあります。
トータルフィー制度の場合、治療期間が延びても追加料金が発生しないため、費用の総額が明確で安心というメリットがあります。
保定装置代とメンテナンス料
矯正治療が完了した後も、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」を防ぐために保定装置(リテーナー)の装着が必要です。
この保定装置代は、1万〜5万円程度とされています。
保定期間は一般的に1〜2年程度で、この間も定期的に通院してチェックを受けます。
保定期間中のメンテナンス料は、1回につき3千円〜5千円程度とされています。
保定を怠ると、せっかく整えた歯並びが元に戻ってしまう可能性があるため、矯正治療費には保定にかかる費用も含めて考える必要があります。
その他の追加費用の可能性
上記以外にも、症例によっては以下のような追加費用が発生する可能性があります。
- 抜歯費用:1本あたり5千円〜1万円程度(保険適用の場合)
- 虫歯治療費:矯正前に虫歯があれば治療が必要
- クリーニング費用:矯正前後の歯のクリーニング
- 装置の破損・紛失時の再製作費用
- 治療計画の変更による追加費用
これらの費用は事前に見積もりに含まれていないことも多いため、カウンセリング時に追加費用の可能性について確認しておくことが重要です。
具体的な費用例と治療の選び方
ケース1:軽度のすきっ歯(前歯1〜2本の隙間)
前歯の中央に数ミリ程度の隙間がある軽度のすきっ歯の場合を考えてみます。
このケースでは、最も費用を抑えた治療が可能です。
治療方法の選択肢:
- マウスピース矯正(部分):10万〜20万円程度
- ワイヤー矯正(表側・部分):20万〜30万円程度
費用の内訳例(マウスピース矯正の場合):
- 初診・カウンセリング:無料
- 精密検査・診断料:3万円
- マウスピース装置代:12万円
- 調整料(3か月×3回):1万5千円
- 保定装置代:2万円
- 合計:約18万5千円
治療期間は3〜6か月程度と短く、見た目への影響も最小限に抑えられます。
このケースでは、透明で目立たないマウスピース矯正が人気です。
ケース2:中等度のすきっ歯(上の前歯全体に隙間)
上の前歯6本全体に隙間が広がっている中等度のすきっ歯の場合です。
このケースでは、より本格的な矯正治療が必要になります。
治療方法の選択肢:
- マウスピース矯正(部分):30万〜40万円程度
- ワイヤー矯正(表側・部分):35万〜50万円程度
- ワイヤー矯正(裏側・部分):50万〜60万円程度
費用の内訳例(ワイヤー矯正・表側の場合):
- 初診・カウンセリング:5千円
- 精密検査・診断料:5万円
- ワイヤー矯正装置代:38万円
- 調整料(8か月×8回):4万円
- 保定装置代:3万円
- 合計:約50万5千円
治療期間は6か月〜1年程度が一般的です。
このケースでは、確実に歯を動かせるワイヤー矯正が選択されることも多いとされています。
審美性を重視する場合は、白いブラケットや裏側矯正を選ぶこともできますが、費用は上乗せされます。
ケース3:下の前歯のすきっ歯(スペース不足あり)
下の前歯に隙間があり、かつ歯列のスペースが不足しているケースです。
下の歯列は複雑な調整が必要になるため、費用が高くなる傾向があります。
治療方法の選択肢:
- ワイヤー矯正(表側・部分):40万〜60万円程度
- 全体矯正が推奨される場合もある
費用の内訳例(ワイヤー矯正・表側の場合):
- 初診・カウンセリング:無料
- 精密検査・診断料:5万円
- ワイヤー矯正装置代:48万円
- 調整料(10か月×10回):5万円
- 保定装置代:3万円
- 合計:約61万円
治療期間は8か月〜1年程度が見込まれます。
下の前歯は上の歯との噛み合わせを考慮しながら動かす必要があるため、部分矯正でも全体矯正に近い費用になることがあります。
場合によっては、最初から全体矯正を選択した方が長期的には良い結果が得られることもあります。
治療方法を選ぶ際のポイント
前歯だけのすきっ歯矯正で治療方法を選ぶ際には、以下のポイントを考慮することが重要です。
費用対効果で選ぶ場合:
最も費用を抑えたい場合は、軽度のすきっ歯であればマウスピース矯正の部分矯正が適しています。
ただし、症例によっては対応できない場合もあるため、歯科医師の診断が必要です。
審美性を重視する場合:
人前に出る機会が多い職業の方や、矯正装置を見られたくない方は、マウスピース矯正または裏側ワイヤー矯正が適しています。
費用は高くなりますが、治療中の見た目への影響を最小限に抑えることができます。
治療の確実性を重視する場合:
確実に歯を動かしたい、または複雑な歯の移動が必要な場合は、ワイヤー矯正(表側)が適しています。
多くの症例に対応でき、治療実績も豊富です。
治療期間を短くしたい場合:
軽度のすきっ歯であれば、部分矯正で3〜6か月程度で完了することもあります。
ただし、無理に治療期間を短縮すると、歯や歯茎に負担がかかる可能性もあるため、適切な治療計画を歯科医師と相談することが大切です。
まとめ
すきっ歯の前歯だけを矯正する部分矯正の費用は、10万〜50万円程度が一般的な相場とされています。
具体的には、軽度のすきっ歯で10万円前後から、中等度のすきっ歯で20万〜40万円が標準的な価格帯です。
装置別に見ると、マウスピース矯正が10万〜40万円程度、ワイヤー矯正(表側)が20万〜60万円程度、ワイヤー矯正(裏側)が40万〜70万円程度となります。
部分矯正が適用できるのは、前歯まわりの軽度な隙間に限られ、奥歯の噛み合わせに大きな問題がない場合です。
歯列全体が広がっている、顎の骨格に問題がある、隙間の量が多いなどの場合は、全体矯正が必要になることもあります。
費用の内訳としては、初診・カウンセリング料、精密検査・診断料、装置代、調整料、保定装置代などが含まれます。
クリニックによってトータルフィー制度を採用しているところもあるため、契約前に費用の総額と含まれる内容を確認することが重要です。
治療期間は3か月〜1年程度が中心で、全体矯正と比較すると大幅に短縮できます。
治療方法を選ぶ際には、費用、審美性、治療の確実性、治療期間などを総合的に考慮し、自分の優先順位に合った方法を選択することが大切です。
前歯のすきっ歯が気になっている方へ
前歯の隙間は笑顔に自信が持てない原因になることがあります。
しかし、部分矯正という選択肢があることで、全体矯正よりも費用と期間を抑えて治療できる可能性があります。
まずは矯正歯科で無料カウンセリングを受けてみることをおすすめします。
自分の歯の状態が部分矯正で対応できるのか、どの矯正方法が適しているのか、正確な費用はいくらになるのかを知ることができます。
複数のクリニックで相談して比較することも可能ですので、納得のいく治療を選んでください。
笑顔に自信を持てる日が、思っているよりも近いかもしれません。
一歩を踏み出してみませんか。